農水省が「備蓄米放出」の入札結果を公表も不十分…人気の“ブランド米”値下げ効果は未知数に
なじみの薄い品種が平均落札価格を押し下げた可能性も
「知名度の低い品種が、全体の平均落札価格を押し下げたことも考えられます。そうしたコメは、産地や品種の異なる複数のコメを混ぜた『ブレンド米』として主に外食・中食向けに割安で販売される。安価なコメ調達に悩まされた外食チェーンなどは大歓迎でしょうが、人気品種の落札価格が分からない以上、スーパーで見かけるコシヒカリなど『ブランド米』の値下げ効果は未知数です」(コメ卸売関係者)
農水省はコメ高騰の要因を「先高観を見越した小規模の集荷業者や農家が在庫を抱え込んでいる」と分析してきたが、そもそも24年産を「平年並み」とした作況指数の算出に疑問が残る。「国内需要を満たす生産量が確保されていない」との専門家の指摘もある。
米価を安定させるためにも生産量アップは待ったなし。政府は事実上の減反政策をやめるべきだ。
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1995年の食糧管理法廃止で、政府はそもそも実際のコメの流通量を把握しきれなくなっているとのこと。今回の備蓄米放出でスポット価格が下がらなかった場合、農水省の推定生産量そのものが間違っている可能性が。●関連記事【もっと読む】『備蓄米放出でもコメ価格は高止まり…怪しくなってきた農水省の「実態把握」』で詳報している。