1泊3000円! 新潟県燕市のゲーセン付き格安ホテル「公楽園」に息づく“昭和の遊び心”
30年間ほぼ毎日通う常連も
腹ごしらえを終え、いざゲームコーナーへ。ふと目に留まったのは「出玉やメダルは景品と交換できます」との案内。この田んぼの真ん中で、いったい何がもらえるのか。確かめずにはいられなかった。
まずパチンコに挑戦。しかし、当たりの気配はまったくない。250回転ほど回して5000円を失い、意気消沈。気を取り直して、日本で最もポピュラーなパチスロ「ジャグラー」へ移動した。こうなると、もう意地だ。
長い戦いの末、大当たりを連チャンさせることに成功。やっとのことでメダルが景品交換の基準に到達し、スタッフを呼ぼうと席を立ったその時だった。
「カコッ……」
足元から小さな音が響いた。目をやると、「紳士向けDVD」が出現しているではないか。メダルの枚数に応じて機械が自動で吐き出す仕組みらしい。
景品ゲットに達成感は得たものの、素直には喜べなかった。DVDのタイトルは「お前の母ちゃん う〇こまみれ」。まったく趣味ではない。
だが、不思議と火がついた。「今度こそ当たりを引きたい」。そんな衝動に突き動かされる。ガチャを回すような感覚である。夢中でレバーを叩いた。
夜が更け、疲労が募る頃にはDVD5本が手元に。のめり込みすぎたと反省し、周囲の客に話を聞いてみた。
「2年前くらいから週2で来てます。本当はパチスロ店に行きたいけど、お金がなくて。友達とドライブがてら来ることも。DVD? 持ち帰りません(笑)」(20代男性・不動産営業)
ほかにも、「2カ月に1度くらい来る」(50代男性)、「30年前から仕事帰りにほぼ毎日立ち寄っている」(40代男性)という常連もいた。