ソフトバンクの新金融商品「社債型種類株式」のうま味とリスク
配当率は発行後約5年間は固定で年2.5%。ソフトバンク普通株の配当利回りは足元で4.9%程度で、一方、23年3月に同社が発行した個人投資家向け社債の利率は0.98%なので、社債型株式の利回りは株と社債の中間と考えていい。
上場初日の終値は4025円だった。上場後(11月20日まで)の株価は4000~4040円で値動きは小さい。
投資家が気になるリスクだが、それは「コール(事前償還)条項」だ。発行から5年経てばソフトバンクが発行価格に未払いの配当金などを上乗せした金額で買い戻すことができる。ただしコールは市場慣例で、発行体には買い戻す権利があるだけで、財務悪化などで買い戻しを見送ることもできる。万が一、見送りとなれば、投資の前提が崩れ、売り材料となりかねないが、ソフトバンクの体面があるし、NISAの対象でもあるだけに、それは考えにくい。だから個人投資家の人気が高く、10月末時点の個人の申込比率は92%に上る。
株はリスクがあって怖いが、金利が0.1%程度の定期預金にも満足していないという人は検討してみる価値は十分あるだろう。 (丸)