トランプ相場「第2ステージ」で勝つ投資術 米大統領選バイデン氏撤退で不安定相場が加速
やっぱり危うい相場だった。バイデン米大統領が大統領選からの撤退を表明した直後の今週22日、日経平均はガタ落ちし4万円を割り込んだ。7月2日に大台を回復してからは4万円台をキープし続け、11日には史上初の4万2000円を突破。イケイケ相場になりつつあっただけに兜町はガッカリムードに包まれた。この先、市場はどう動くのか。そして、トランプ相場で勝つ秘訣は?
■市場は「トランプ敗北も…」の動き
バイデン大統領が後継指名したのはハリス副大統領だった。市場の予想通りでサプライズ感はなし。「ほぼトラ」から「確トラ」に見方は変わった。これまで以上にトランプ再選が確実視され、不透明感はグッと薄らいだ。
「トランプ・トレードと呼ばれるように、このところトランプ関連銘柄の物色が続いていました。バイデン撤退によりトランプ再選が前進したので、これまでの流れを踏まえれば関連銘柄はもっと買われたはずです。ところが利益確定売りが優勢となり、株価は下落しました。ちょっと不思議な感じがしました」(50代のサラリーマン投資家)
市場で何が起きたのか。トランプ銘柄が売られるということは、投資家にトランプ敗北がよぎったのか。
「巨額マネーを動かす機関投資家は敏感に売り買いを繰り返します。投資家は民主党には“隠し玉候補”がいるかもしれないと勘ぐったのかもしれません。オバマ元大統領のミシェル夫人がもし出馬したら、トランプ氏といい勝負を繰り広げる可能性はあります。それ以外の人選だってなくはないでしょう」(市場関係者)
■ 日経平均3万円の攻防もあり得る
市場の不透明感は完全に払拭されたわけではなかった。そうなると、株価の乱高下はキツくなるかもしれない。
「11月の大統領選までの日経平均の下値メドは3万7000円程度だと思っていました。でも、バイデン撤退が決まったことで不安定さが増した。今年4月に付けた安値3万6733円を下回ったら、昨年12月の安値3万2205円まで下落してしまうかも……」(株式評論家の倉多慎之助氏)
下手をしたら3万円の攻防まであり得る。もう相場はメチャクチャで、この水準まで暴落だと模様眺めを決め込んだほうが良さそうだが、3万7000円前後で下げ止まったら、投資の大チャンス到来となる。
■「確トラ」で動いたほうが得
もしかして民主党候補が大統領選に勝ったら……が市場の不安要因。でもその確率は現状では限りなく低い。「確トラ」で動いたほうが賢明というもの。トランプ・トレード継続を念頭に置いておいたほうが良さそうだ。
ニッセイ基礎研究所主席研究員(チーフ株式ストラテジスト)の井出真吾氏はこう言う。
「11月の大統領選まで不安定さは続くでしょう。日経平均は4万円前後でウロウロすると思いますが、下値メドは3万7000円。もし、そこまで下落したら買いかもしれません。年内の上値は4万3000円あたり。大統領選が終われば、不安定さは消えます。そこから上昇相場入りする可能性は高いといえます」