トランプ相場「第2ステージ」で勝つ投資術 米大統領選バイデン氏撤退で不安定相場が加速
米大統領選の年は株高アノマリー
大統領選の年は株高アノマリー(合理的には説明のつかない株価の経験則)がある。
バイデン氏が勝った前回(2020年)、NYダウは7.2%アップした。その前(16年)はトランプ氏がヒラリー氏(民主党)に勝利。株価は13.4%上昇だった。12年(オバマ氏が勝利=民主党)は7.3%アップしている。もちろんマイナスを記録した年もあるが、1932年(ルーズベルト氏が勝利=民主党)以降の平均は4.0%上昇だ。
NY株と似たような値動きをする日経平均も同様。20年16.0%、16年0.4%、12年22.9%とそれぞれアップした。
■狙うは防衛と化石関連銘柄
アノマリー的には期待していい年だ。
「トランプ相場の第2ステージが本格化しようとしています。防衛関連や脱炭素に絡んだ会社は業績アップが見込めそうです。一方、中国とはかつてと同じようにバチバチしそうですから警戒したほうがいいでしょう」(倉多慎之助氏)
トランプ氏が大統領に就けば、日本はじめ各国に防衛力の強化を求めてくる可能性が高い。三菱重工やIHI、日立製作所、NECといった大手から、石川製作所(機雷・魚雷)や豊和工業(小銃・防衛火器)、細谷火工(照明弾)、重松製作所(防毒マスク)など防衛関連を扱う企業が関連銘柄。
三菱重工や日立製作所などは、ここ1年で株価がほぼ倍以上になった。両社とも、現在は利益確定売りに押され気味。つまり、数少ない押し目との見方もできる。
「11月以降、トランプ・トレードが再燃したら防衛関連は間違いなく上昇します。今が仕込み時といえそうです」(市場関係者)
トランプ再選で脱炭素やEV(電気自動車)関連は下火になる。再生可能エネルギーを手掛ける企業あたりは注意が必要。反対に化石燃料に絡むINPEXやENEOSホールディングス、総合商社などには追い風となりそうだ。
■秋以降に4万3000円を目指す
どっちに転ぶか分からない……と不安ばかり募るのが為替だ。トランプ氏はドル安(円高)志向と伝わり、今月半ばのインタビューでも「現在のドル高は問題」と発言。これを受けドル円相場は大幅な円高に振れた。
ただし、トランプ氏の掲げる経済政策(大型減税の延長や規制緩和など)は景気浮揚をもたらすだけに、ドル高要因となるという。
「為替はどちらに向かうか分かりません。ただ、トランプ氏はビジネスマンだけに経済をよく知っています。株高に向かうのは間違いありません」(倉多慎之助氏)
秋以降、日経平均は4万3000円を目指し上昇していく。それが兜町関係者の大方の読みだ。
「7月下旬から8月にかけては、企業の中間決算が発表されます。為替などさまざまな要因で、企業が発表した業績予想はかなり保守的でした。それだけに、中間決算発表時に上方修正ラッシュが起きてもおかしくありません。これは株高要因。米大統領選という不安要素のなかで注目される好材料となるでしょう。ただ、何か悪材料が出てきたら再び下落します。大統領選まで不安定相場は続く。それを忘れないようにすべきです」(証券アナリスト)
新NISA(少額投資非課税制度)の成長投資枠を利用して仕込めば、利益が出たときの税金(約20%)を取られないで済む。トランプ・ラリー第2幕はとっくに始まっている。低迷相場の今こそチャンス到来だ。