株価暴落の今だから注目したい「底打ち」の見分け方と対策…投資のプロが解説
8月5日、日経平均株価が1987年のブラックマンデー超え、過去最大の下落幅を記録しました。まさに嵐のような相場で、投資をやっている人ならほとんどがダメージを負い、半ばパニックのような状態かもしれません。
しかし、そんな今こそ見逃せないのが、株価暴落における最終局面「セリングクライマックス」です。4年前に出て以来二度と巡り会うことがないと私が思っていた幻のサインです。今だからこそ注目したい底打ちの見分け方について解説します。
今のような急落局面で機械的に「買い」向かっても良いのですが、冷静に判断するためには確固たる根拠が必要です。今回の急落の要因は、急速な円高があります。この2週間ほどで1ドル160円超えから一気に一時141円台まで円高が進行、ゆっくり安定的に動くべき為替レートが乱高下してしまった状態です。円高はまさに日本の主力である輸出産業の利益を吹き飛ばします。
それから7月末の日銀の利上げです。私はこのタイミングで利上げするとは思っていなかったのですが、結果として政策金利を0.25%に利上げ。依然として低い水準であるものの大方の予想よりも早く利上げが行われました。また日銀の植田総裁のコメントでも、まだまだ利上げをしていく趣旨のコメントがあり、それが海外投資家を中心に嫌気され日本株が投げ売り、個人投資家にもショックが拡大しています。
しかし日銀が悪いかというとそうでもなく、別に利上げ幅に関しては正常といえますし、今後新たな不況が来るときの引き締めから緩和に転ずる余地を残すという上では、決して間違った判断ではないと思います。
ただ時期を間違った感はあります。GDPにおける個人消費が4四半期連続でマイナスと、リーマン・ショック以来、物価高で弱くなっている状況です。本当に「今」やる必要があったのでしょうか。利上げをするにしても政府や経済界が取り組んでいる賃上げを重ねた後や、物価上昇が収まってからでも悪くなかったと、個人的にも思います。
■「夏枯れ相場」に加えて米国の経済減速が心配
S&P500をはじめ、米国株はまだまだ下げる余地があります。今は「夏枯れ相場」といって、例年でも株価は弱くなりやすい時期ですし、昨年からずっと株価上昇して割高となってきた中で、景気後退を理由に売却するというのは絶好の理由になるわけです。これに円高が進めばダブルパンチです。短期間に歴史的に急落している日本株ですが、一旦リバウンドして値を戻した後、再び下値を更新しても全然おかしくないというレベルにあると認識しておいた方が良いです。