著者のコラム一覧
有森隆経済ジャーナリスト

早稲田大学文学部卒。30年間全国紙で経済記者を務めた。経済・産業界での豊富な人脈を生かし、経済事件などをテーマに精力的な取材・執筆活動を続けている。著書は「企業舎弟闇の抗争」(講談社+α文庫)、「ネットバブル」「日本企業モラルハザード史」(以上、文春新書)、「住友銀行暗黒史」「日産独裁経営と権力抗争の末路」(以上、さくら舎)、「プロ経営者の時代」(千倉書房)など多数。

資生堂(下)コロナ禍で業績悪化し経営トップ交代…藤原憲太郎社長は「伝家の宝刀」も抜いた

公開日: 更新日:

福原義春が23年8月30日、老衰のため死去

 藤原は海外部門が長く、18年からは中国地域最高経営責任者(CEO)として中国事業を率いてきた。グローバルでの経験を生かし、主力の日本事業を強化する。

 だが、海外の営業の大きな柱である中国事業は低空飛行のままだ。

 23年8月下旬に東京電力福島原子力発電所の処理水が海洋に放出されて以降、中国では日本の化粧品の不買運動が起こった。期待した日本事業も、実は中国人客が需要の大半を占めていたため、営業赤字に沈む。

 藤原は伝家の宝刀を抜く。今年2月、早期退職を募集し1477人の応募があった。早期退職は資生堂の経営難を内外に知らしめた。

 社長、会長を歴任し、世界的企業に成長させる基盤を築いた福原義春が23年8月30日、老衰のため死去した。

 義春は創業者福原有信の孫。創業家出身のドンとして、プロ経営者の魚谷雅彦、後任の藤原憲太郎の就任にOKを出した人物だ。

 今後、資生堂のキングメーカーに誰がなるのかだ。 =敬称略

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    スタンフォード大・麟太郎のメジャースカウト評価は課題山積…ド軍指揮官からも耳の痛いアドバイス

  2. 2

    大谷が2026年WBCを辞退する可能性…二刀流継続へ「右肘3度目手術」は絶対避けたい深刻事情

  3. 3

    W杯8強へ森保J「5人の重要人物」 頭痛の種は主将・遠藤航の後継者…所属先でベンチ外危機

  4. 4

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  5. 5

    悠仁さまは学習院ではなぜダメだった?大学進学で疲弊する宮内庁職員「もうやめたい」と悲鳴

  1. 6

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

  2. 7

    巨人「助っ人野手の獲得下手」汚名返上できた納得の理由…今年はなぜ2人とも“当たり”?

  3. 8

    大阪府の8割の小売店でコメ品切れ発生だが…吉村知事「備蓄米放出しろ」が腑に落ちないワケ

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    巨人・坂本勇人は《潔くユニホーム脱ぐべき》低迷でも“1年延命”で現役続行か