金利上昇局面なのに…銀行株はなぜ活気づかない?

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③不良債権増加のリスク

 金利が上昇すると、企業や個人の借り入れコストが増加し、返済不能や不良債権の増加リスクが高まってしまう。銀行の財務健全性に対する懸念が広がるというわけだ。

④海外投資家の慎重な姿勢

 邦銀株も、海外の機関投資家が大きな影響力を持っているが、上記の②や③の理由に加え、日本の銀行株は自己資本収益率が低く、欧米の銀行に比べ収益性が悪いとみられている。こうしたことが海外からの積極的な投資を抑制しているのだ。

 以上のように、金利上昇で恩恵を受ける数少ない業種である銀行株もこれだけ問題点を抱える。久しぶりの「金利のある世界」になった日本だが、株式市場が上昇を継続するのはまだまだ厳しいものがあるということだ。(丸)

【連載】ベテラン証券マンが教える株のカラクリ

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