三菱自動車(下)PBRは“赤点”…ASEANの需要低迷で業績不振に
中計初年度は、円安の追い風もあり、売上高が前期比13.5%増の2兆7895億円、営業利益が同0.2%増の1909億円となり、営業利益は過去最高を達成し、営業利益率も6.8%となっている。
ところが2年目の24年度になると、状況が変わってきた。24年4~6月期の決算は、売上高が1.3%減の6275億円、営業利益が21.3%減の355億円と減収減益で、営業利益率も5.7%へと悪化した。同業他社の多くが円安で増益となる中、三菱自は日産自動車とともに蚊帳の外だった。
しかも、成長ドライバー地域としているアセアン、特にタイとインドネシアが落ち込んでおり、厳しい状況に直面している。
「当社を取り巻く販売環境は厳しさを増している」(松岡健太郎CFO)とのことだ。
そんな状況を反映して、株価も400円前後に落ち込み、PBR(株価純資産倍率)は0.5~0.6倍台である。東京証券取引所では、1倍超が望ましいとしており、三菱自は企業として“赤点”ということになるだろう。