「ラウンドワン」海外100店舗へ出店加速するワケ…米国での売り上げは国内の6割に
ラウンドワンの全社売上高は19年度に1048億円となり、翌20年度はコロナ禍の影響で610億円まで減少した。しかし、その後は円安とともに米国事業が牽引した。25年3月期3Qにおけるラウンドワンの売上高は1266億円。うち米国事業が420億円を占め、国内事業(702億円)の6割に迫る。通期では全社1713億円を見込む。
「米国店では日本食を中心としたフードコートがあり、アルコールも提供する。外の飲食店より安いことも集客につながった。日本文化を楽しめる場所としても機能している。一方でカラオケルームを広くし、パーティー需要に対応するなど現地化も進めた」(同)
■国内の新規出店は限定的に
国内事業はすでにピークアウトしている。店舗数は16年に112店舗まで増えたものの、その後は減少に転じ、現在は100店舗となった。クレーンゲームの人気などで店舗当たりの収益は改善したが、人口減少で反転拡大は期待できない。国内の新規出店は限定的とする方針を同社は示している。
ラウンドワンは海外100店舗体制が目標。現段階で米国11店舗の出店を予定し、21年に進出した中国も5号店を出店予定だ。若年層が減り続ける日本事業は縮小していくだろう。いち早く、海外に打って出たラウンドワンは国内企業にとって良いお手本となるのではないか。
(山口伸/ライター)