「トランプ劇場」第2幕…軍事力で領土を脅し取る歴史の亡霊「帝国主義」がよみがえる
冷戦期の1946年には、1億ドル相当の金塊と交換する秘密提案をデンマークに行った。第1次トランプ政権も買収に意欲を示したが、「ばかげた提案」と一蹴された。
今回は本気度が高い。グリーンランドでは4月上旬までに自治政府議会選が予定され、独立が主要争点だ。豊かな米国の一部になれという誘いは、独立派を有利にするという打算が成り立つ。
事実上の選挙介入に加え、トランプは買収目的について「米国の安全保障に必要だからだ」と言い放った。自国利益のため、北大西洋条約機構(NATO)同盟国にも容赦なく主権放棄を迫った。軍事力で領土を脅し取る歴史の亡霊、帝国主義がよみがえろうとしているのだ。
デンマークが加盟する欧州連合(EU)主要国のフランスは「EU(加盟国)領土への攻撃を容認しない」と警戒をあらわに。ドイツも「国境不可侵の原則は平和秩序の基礎だ」と、ウクライナに侵攻したロシアと米国を重ねて痛烈に批判した。
■ばかげた要求にはNOを突きつけないと