本田圭佑「虚像と実像」(3)小4で“過剰な自信”を自覚
本田の象徴は「ブレないメンタル」である。
今年1月、世界屈指の名門チーム、ACミランに入団してからも、それは変わっていない。
ミランの一員になって2カ月。地元紙のインタビューに「トップ下が好き。でも、セードルフ監督は右サイドに適性があるという。監督と僕のサッカー哲学は違う」と答えた。上層部批判スレスレだが、あくまで自分の意見を貫き通す。
この強い精神力は、生まれながらに備わっていたわけではない。本田の大叔父で、カヌー日本代表として1964年の東京五輪に出場経験のある本田大三郎(79)は、「圭佑にも“弱さ”がある」とこう指摘する。
「元来、本田家の血筋というのは、傑出した能力を持っている家系ではない。むしろ弱い人間の集まりなんですよ。それでも、圭佑が人より上にいけたのは、本田家代々の<最後まで諦めない精神的持久力>があったからです。彼にとってそれを存分に生かせたのがサッカーだったのです」
本田がたどってきた人生は、決して平坦なものではなかった。
幼少期の両親の離婚に始まり、育ての親である祖父母は共働き。家庭のだんらんを知らずに育った。