今季3位の阪神と日ハム 過去10年成績“雲泥の差”の理由
■阪神2位指名の北條を日ハムは指名せず
両球団の差が最も顕著なのは、チームづくりに明確なビジョンがあるかどうかだ。例えば日ハムのドラフト戦略は、選手の実力を数値化したベースボール・オペレーション・システム(BOS)が基本。BOSの数値をもとに選手をランク付け、スカウト会議で指名選手を決めていく。数値だけで判断しないのは、数字に表れない部分の評価も加味するためだ。
日ハムは一昨年のドラフトで光星学院高(現・八戸学院光星高=青森)の主砲、北條史也(20)を1位候補にしたことがある。ベテラン金子(38)の衰えが顕著で将来、遊撃を任せる若手が欲しかったからだ。
ポイントは足と肩。足は合格点。しかし、地区予選や甲子園を複数のスカウトが見ても、肩の良し悪しが判断できない。三遊間の深い位置に飛んだ打球の処理をチェックするため、担当者はわざわざ海外まで行った。その結果は「ノー」。いったん「ノー」と判断した選手は、たとえ2位以下まで残っていても指名しない。阪神はその北條を2位指名したものの、いまだ鳴尾浜で二軍暮らしが続いている。