総年俸トップのドジャース “金満球団”支える巧みな節税術

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 1988年以来、26年ぶりの世界一を目指しているドジャース。西海岸の人気球団の強みはヤンキースをもしのぐ豊富な資金力だ。

 年俸総額は2年連続で200億円を超え、今季は2億4112万8000ドル(約262億8300万円)。ヤンキースの2億883万ドル(約227億6200万円)を抑えてメジャートップ。

 前オーナーのマッコート夫妻の放漫経営もあって、11年に一時はMLBが球団を運営したこともあった。名門球団に再建のメスが入ったのは、12年3月に元NBAの大スターであるマジック・ジョンソンを中心とする投資家グループが買収してから。ジョンソンらの球団幹部は、それまでの収益構造を改善。昨年1月にはケーブルテレビ大手のTWC社と放映権に関して14年から25年総額80億ドル(約8700億円)で契約した。単純計算で年間約348億円の放映権料が入る計算だ。

■MLBへの上納金を上手に減らす

 ドジャースはこの莫大な放映権料を球団運営、特に補強費用に回すため、巧みに節税している。メジャーには収益配分制度があり、放映権収入、チケット売り上げのうち経費を除いた額から34%をMLBに納める仕組みになっている。支払う金額を少しでも減らすため、ドジャースは子会社を通じて自前の放送局を立ち上げた。TWCからの放映権料は、子会社を一度経由してドジャースに入れるようにし、34%の上納金の減額を図っている。この手法でドジャースは地元ローカル局やラジオ局との放映権料と合わせて少なくとも年間で100億円近くは浮かしているとみられる。もともと資金力がある上に毎年、高額な放映権料が見込めるだけに人件費が高騰しても球団の屋台骨は揺らがないのだ。

 ドジャースは野茂英雄石井一久らがプレーしてきたが、黒田が11年まで所属して以来、日本人選手は皆無。現在、アジア系の選手は韓国人左腕の柳賢振だけだ。これは球団がLA在住の韓国系移民を重要な顧客と考えているからだという。

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