FA金子獲得に血眼 阪神を振り回す中村GMのメンツ
「失点回復に躍起だな」
阪神周辺では、呆れ顔でこう言う人間もいる。中村勝広GM(65)がオリックスからFA宣言した金子千尋(31)の獲得に血眼になっているからである。
「俺がオリックス(GM)のときに獲得した投手。特別な関係にある」
こう言って自信をにじませ、「本人に会って直接話がしたい」とラブコールを送った中村GMは今オフ、ことごとく補強に失敗している。獲得に乗り出した山井は中日に、宮西も日本ハムに残留。極め付きは中島(前アスレチックス2A)をオリックスに奪われたことだ。地元・兵庫の人気選手に阪神は数年前から高い関心を持っていたが、オリックスの提示額に及ばず大魚を取り逃した。
「今オフの補強戦線は、資金力が豊富な阪神としては歴史的大敗となっている。中島獲得資金で慌てて金子に触手を伸ばしたのは、補強が全敗に終わればフロントのメンツは丸潰れだから。来年は球団創設80周年のメモリアル年でもある。金子は国内市場に残る『最後の砦』とあって必死なんだろう。阪神は今季中から金子がオリックスに入団した際の担当スカウトだった熊野スカウトが中心となり、水面下で調査を進めていた。しかし、金子サイドはドームが本拠地の球団を希望していることなどもあり、色よい返事をもらえなかったと聞いている。残留を熱望しているオリックスは3年15億円といわれる資金を用意。楽天もこれに負けない条件を提示しているという。オリックス残留の線が太いともいわれるだけに、再び恥をかくことにならなきゃいいが……」(阪神OB)