初登板でハッキリ SB松坂の「3年12億円」はムダ金になる
オープン戦の登板日を自分の意思で決められる松坂が今回、甲子園を選んだのは「(投げるときに踏み出す)左足つま先の感覚を取り戻したい」からだった。プロ野球の球場は、メジャーのマウンドと比べて土が軟らかい。中でも特に軟らかい甲子園であれば、理想的な体重移動ができるという松坂なりの計算があった。キャンプ地のブルペンで矯正したフォームを試すのにもってこいのはずだったのに、「まるでメジャーの硬いマウンドで投げているかのように、歩幅は狭く、突っ立ったフォームだった」(前出のスコアラー)という。
「いや、下半身を使いたくても使えなかったんじゃないか。古傷が再発したのか、あるいは古傷がトラウマになっているのかもしれません」と、松坂と親しい関係者がこう言った。
「股関節痛です。松坂は09年のWBCに臨む過程で股関節を痛めた。球団(レッドソックス)の反対を押し切って出場した手前、言うに言い出せず症状を悪化させた。思うような体重移動ができないばかりか、患部をかばっているうちに肩と肘を痛め、のちの靱帯再建手術(トミー・ジョン手術)につながった。この日はマウンド上でしきりに股割りをしていただけに、股関節に不安があるのだと思う」