記録ずくめの独走 マスターズ初Vは「スピース時代」の幕開け
今年はジョーダン・スピースの圧勝劇だった。
最年少優勝記録こそタイガー・ウッズが持つ21歳3カ月(スピース21歳8カ月)に届かずに大会史上2番目だったが、初日から首位の座を一度も明け渡さない完全優勝は1976年大会のレイモンド・フロイド以来39年ぶりの快挙。また通算18アンダーも97年大会でウッズがマークした記録に並んだ。
大会直前にはポスト・タイガーのV候補筆頭として注目され、米ゴルフファンが期待したスピースの勝利で、ウッズの不振から人気が低迷していた米ツアーはまた盛り上がりそうだ。
スタート時点で同組の2位J・ローズとは4打差。その貯金が大きかった。ローズが1番パー4で2.5メートルのバーディーパットを決めると、スピースもすぐに2メートルを入れ返して差が縮まらない。
ローズは2番パー5でもバーディーを奪うが、スピースは2メートルの好機がカップ右をすり抜けてしまいパー。だが3番ですぐ2つ目のバーディーを奪うなど、落ち着いた試合運びが目立った。
前半は5番パー4で2打目をグリーン右に外して、アプローチもミス。それでも4オン1パットのボギー。7番では1.5メートルのパーパットを外して2つ目のボギーとしてスタート時点のスコアに戻ってしまう。並のプロならメジャーの重圧からボロボロのパターンだが、スピースは違った。