同居してた外国人教師の一言で悲惨だった生活環境が一変しました
ハワイに野球留学をした僕は、オアフ島の東に位置するカイルアという町にホームステイしていました。当時は街灯もない田舎町。夫妻とも高校教師だったホストファミリーは学校行事で家を空けることが多く、僕は与えられた6畳のプレハブ小屋でカップ麺をすする毎日でした。
そんな生活も4カ月が過ぎたある日、同じ家にホームステイしていた外国人の英語教師が声をかけてきました。
「ダイスケ、スギって知ってるか? 日本では有名なんだろ?」
スギ?
英語がサッパリの僕が首をかしげていると、彼は一生懸命、棒を振り回すようなジェスチャーをしながら、「サムライ、サムライ」と言います。
遠山の金さんの杉良太郎!?
片言の英語と日本語でやりとりし、なんとなく彼が杉良太郎さんの知り合いだということが分かります。それでも、こっちは半信半疑。言っちゃ悪いが、この外国人教師が日本の大スターと親しいわけないやろ。そんな心の声が顔に出ていたのか、彼は証拠を見せてやるとばかりに半ば無理やりに僕を車に乗せると、フリーウエーを走り出しました。