楽天・松井に「先発復帰」プラン 星野氏陣頭指揮で急浮上
「抑えは今年限りかもしれないね」
楽天のチーム関係者がこうつぶやいた。9日のロッテ戦で、95年のオリックス平井を抜き、高卒2年目で最多となる28セーブ目を挙げた松井裕樹(19)のことである。
今季、抑えに抜擢した大久保監督(48)は成績不振などの責任を取り、今季限りで退任する腹積もり。さらにチームがゴタゴタを招いたこともあり、前監督の星野SA(68)が球団の取締役副会長に就任することが決まった。事実上の編成の責任者として、陣頭指揮を執る。
「星野さんであれば、来季から松井を先発に戻す可能性はあるだろうね。松井の新人年、ヤンキースに移籍した田中の後継者として期待を寄せ、巨人とのオープン戦に初先発させ、実力不足と知りながらも開幕ローテにも入れた。自身が腰の病気から復帰した際には、中継ぎ起用していた松井を先発に戻してもいる。将来の球界を背負う投手として、大きく育てようという意図があった。松井にしても、今でこそ抑えで数字を残しているが、ストッパー転向を言い渡されたときは『先発に未練がある』と言っていた。抑えで実績を作ったわけだし、本人も先発を打診されれば、意気に感じてやるんじゃないか」(前出の関係者)
今季の楽天は、則本、戸村の7勝がチームトップという状況で、先発の強化が最重要課題となっている。高卒2年目で成長を見せた左腕は来季、先発でさらなる飛躍を見せるかもしれない。