ロシア陸連は資格停止 WADA“厳罰”適用でリオ五輪もピンチ
ロシア陸上界に蔓延する組織的なドーピングが他の国・地域、競技にも飛び火しそうだ。
この問題を調査してきた世界反ドーピング機関(WADA)の独立委員会は9日(日本時間10日)にスイス・ジュネーブで会見し、国際陸連(IAAF)がロシア陸連に対して資格停止処分を科すべきとの勧告を発表。資格停止になれば、ロシアの陸上選手は来年のリオ五輪に参加できない恐れもある。
独立委が公表した335ページにわたる報告書には、モスクワの検査機関が検体の一部を故意に破棄して隠蔽していた事実や、選手側から金銭を受け取っていた責任者の存在などが詳細に記されている。独立委ではロンドン五輪女子800メートル金メダルのマリア・サビノワ(30)ら5選手の他、ドーピング逃れに関わったコーチや医師の永久追放を求めている。
独立委のリチャード・パウンド委員長(元WADA会長)は会見で「今回の件は氷山の一角に過ぎない。おそらくロシアだけの問題でもないし、陸上だけの問題でもない」と断言。これを受けてWADAのクレイグ・リーディー委員長は「現行の(検査)システムで多くの欠陥が発覚した。WADAの責任者として迅速に対応する」とドーピング検査所の監視強化や、検査の厳格化を明かした。