若者よ「レジェンド」なんて踏んづぶせ
大晦日に紅白歌合戦を見たら、寄る年波に勝てぬ歌手どもがぞろぞろ出てきて、どいつもこいつも昔のヒット曲を歌っていて完全に懐メロ大会だった。ありゃま、ジジババが口を開けて集まる骨董市だ。どの歌手も年輪を重ねたというよりは年輪を白粉で塗り込めていて、少し引いてみるとジジババの仮装大会のようで不気味だった。
しかも、みんな歌が下手になっている。声が出ない。自慢だったビブラートはのたくり、伴奏よりキーが下がり気味。聴いちゃいられないのだ。とうに第一線から外れているのに、自分だけはそう思っていない。歌は年輪ではないのだと取り巻きの誰も言ってやらないから、自分でそろそろ潮時か? と悟らない限り退かない。
紅白歌合戦の出場歌手に、オレ(62歳)よりも年上がかなり多いのに驚いた。若いのも時折、出てきて歌うんだが、どこのはやりモノやら分からぬ無国籍で粋がるくせに、妙に縮こまった栄養不良病的少年少女ばかりで、これまた聴くに堪えぬ。ゲ~ノ~界という特殊な場所が、最も少子高齢化が象徴的に表れるところなんだと改めて思った。