若者よ「レジェンド」なんて踏んづぶせ
少子高齢化の波が押し寄せるのはスポーツの世界も同じ。
引き際を悟りつつも50歳まで現役を続けた山本昌は、「もういいだろ」という周りの声を巧みにすり抜けて、最年長記録更新だけに残りの現役人生を懸けた。
非常に意地悪く言やあ、年金支給年齢を吊り上げたくて定年が延び、年を取っても働けとムチ打たれる時代風潮に乗って「レジェンド」という称号を与えられ、時の人となったのだ。「ボロボロになるまで現役にしがみついた」とは言われず、まさに時代に遇されたのだ。山本昌は分かりやすい幸せ者なのだった。
ジャンプの「レジェンド」葛西紀明は、オレの息子ぐらいの年だ。さすがにもう無理だろうと思っていたら、今シーズンは世界でも表彰台に立ったし国内では敵なし。
「少しはジャンプがメジャーなスポーツに近づいた感じはするがまだまだなので、ボクが引っ張る」
意気は素晴らしい。
だがなあ。桁外れな新人が出てこないことの裏返しでもあるのだ。少子高齢化に咲いたあだ花「レジェンド」。