錦織マスターズ初V逃す 敗因は“隙なし王者”ジョコの重圧

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 ゲーム再開後はジョコに左右へ振られ、第9ゲームでは自らのダブルフォールトにいら立ちラケットをたたきつける場面も。最後もブレークを許し、わずか1時間26分の完敗劇だった。

 ジョコは今季4勝目(通算63勝)、マスターズは最多の28勝目。優勝賞金約103万ドル(約1億1500万円)を手にし、生涯獲得賞金も9800万ドル(約110億円)を超えた。

 それにしてもジョコビッチは強い。この試合を観戦したテニスジャーナリストの塚越亘氏がこう語る。

「この試合は錦織に打たせて、それを受けてここぞという時に決めた。大相撲でいえば、憎らしいほど強かった大横綱の北の湖みたいなものです。ジョコビッチは200キロを超す高速サーブを持っているわけではないし、フェデラーや錦織のように、多彩な技を繰り出す選手でもない。テニスの内容は面白みに欠けるが、とにかく隙がない。ディフェンスは鉄壁です。そんな相手に錦織は第1サーブが52%(66分の34)しか入らなかった。それは技術の問題ではなく、まったく穴のないジョコビッチから受けるプレッシャーによるものです。しかし、彼を倒さなければビッグタイトルは手にできない。この点は課題です」

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