逃げ場なき“剣闘” 車いすフェンシング加納慎太郎の挑戦
それでも、加納さんはあきらめない。一度は絶望に打ちひしがれた人生。この競技に出会い、生きる希望を見い出した。何より、加納さんは車いすフェンシングにおける日本のパイオニア的存在だ。第一人者として競技を牽引していかなければならない自負もある。
「色々な困難があるのは、どのスポーツでも同じ。今ある環境の中で最善を尽くし、結果を出していくしかない。これからの自分に競技の将来もかかっている。今後に続く人たちのためにも、自分が成功しないといけないのです」
現在はIT大手の人事部に所属しながら、仕事と競技の両立を続ける加納さん。
「いつも私の上半身は相手に刺された剣のキズ跡でアザだらけ(笑)。肉体的なつらさはありますが、パラ五輪にでることを諦めるわけにはいかない。自分にも負けたくない。絶対に」
自らを奮い立たせながら、4年後の大舞台を見据えている。