W杯と五輪で別人 大舞台で勝てない高梨沙羅の“重大欠陥”
やはり理由があった。
女子ジャンプの高梨沙羅(20)は、韓国・平昌で行われた五輪プレ大会を兼ねたW杯個人第18戦で今季9勝目を挙げ、ジャンプW杯の男女を通じ、グレゴア・シュリーレンツァウアー(オーストリア)の持つ歴代最多の53勝に並んだ。前日の第17戦で2位となり、2季連続4度目の総合優勝も決めた。
その余勢を駆って高梨は今週、ノルディックスキー世界選手権(22日開幕=フィンランド・ラハティ)に参戦。現地24日に行われる女子ジャンプ個人戦(ノーマルヒル)で、同大会初の金メダルを目指すのだが、今回も涙をのむ可能性が高い。
これまで高梨は、W杯では圧倒的な強さを見せても、なぜか世界選手権と五輪ではまったくの別人になっていた。
過去の世界選手権の個人成績を見ると、初出場の11年大会が6位。初のW杯個人総合優勝を決めた13年は2位。15年も4位に終わり、表彰台の頂点に立ったことが一度もない。
14年のソチ五輪も大舞台に弱いことを多くのファンに印象付けた。13-14年の高梨といえば、2季連続のW杯個人総合優勝を決めた以外にも、史上初の7連勝やシーズン全戦の表彰台、シーズン最多勝利記録も15勝まで伸ばすなど、驚異的な強さでライバルたちを呆れさせた。ソチ五輪前も、13戦し10勝。金メダルの最有力候補だった。ところが、不利な追い風やテレマーク(安定した着地)姿勢が取れなかったこともあり、まさかの4位に終わった。