W杯と五輪で別人 大舞台で勝てない高梨沙羅の“重大欠陥”
ノルディックスキーの本場である欧州勢にとって、今回はつぶしたい選手がもう一人いる。今季W杯個人総合ランク2位につけている伊藤有希(22)だ。15年の世界選手権では銀メダルを獲得している伊藤は、同郷(北海道下川町)の葛西紀明が監督を兼務する会社(土屋ホーム)に入り、指導も受けている。今年はメキメキ腕をあげ、1月の第7戦(札幌)でW杯初優勝を成し遂げると、先日の平昌での個人第17戦では早くも(通算)4勝目を挙げた。
北欧のフィンランドで行われる今年の大会。極東アジアの日本選手にワンツーフィニッシュなんてされたら、欧州勢にとっては大きな屈辱だ。
「イジメ? 有希は、高梨と心臓の大きさが違う」と、伊藤の地元関係者が言う。
「有希の父は複合のW杯にも出場した元選手で、母も、アルペンの滑降や大回転で元五輪代表の川端絵美と争ったほどの実力者。日本の女子でアルペン競技をやるぐらいですから心臓が強いのは当たり前です。伊藤はその遺伝子を受け継いでいる。スタートハウスにテレビカメラが入ってもキャッキャして手を振って応じるし、逆に、ここぞという時に報道陣が近づくと、『何しに来たのよ』と言わんばかりに険しい表情を見せる。仮に欧州勢の嫌がらせにあっても屈する選手ではありませんよ(笑い)」
高梨、伊藤は、現地の公式練習で調整に入った。W杯で4度目の女王となった高梨は今大会の優勝で、「大舞台に弱い」というレッテルを剥がすことができるか。