平野美宇“改造計画”の全貌 卓球最年少王者のコーチに聞く
重心を低くすることで力の爆発力が増す。そのために、足を鍛える練習メニューを増やした。
「主にフットワークの練習を増やしたんですが、(自分が教える)前もやってはいました。ただ、しっかりと全力でやっていなかった。フットワークは練習の中でたぶん一番疲れる練習。10分間もやればヘトヘトになります。でも、最初の頃は10分、15分経っても顔色が変わらない。ちょっと、おかしいなと思ったんです。全力でやっていなかった。(前後の動きやフォアとバックの動きなど)全部をちゃんと重心を乗せてから100%を出して、全力を出して15分間やるようにと注意しました」
■中国トップ選手と日本選手の違い
中澤コーチが日本に来たのは15年前。1年半前から平野の担当になって驚いたのは、中国のトップ選手と比べて練習の時間が長いことだった。
「平野は(全体メニューの)練習が終わった後、必ず僕のところへ来て『一緒にやろう』と言ってくる。熱心で良いことだけど、逆に考えると、とりあえず時間だけ長くやって、『たくさんやった』という充実感を得るだけという側面もあります。中国に帰って、中国人と日本人の練習の違いを見ると、中国の選手は時間は短いけど質が非常に高い。今の平野は確かに中国選手に近づいている。試合に勝つと『私って中国人じゃないですか』と自慢していましたから(笑い)」