著者のコラム一覧
井箟重慶オリックス元球団代表

1935年、岐阜県出身。上智大学外国語学部卒。59年、丸善石油入社。77年、米国丸善石油(現米国コスモ石油)に出向し、88年、副社長で退社。89年、オリックスの球団幹部一般公募に応募し、球団常務として入社。90年、球団代表就任。96年、日本一に。2000年、シーズン終了後に辞任。01~02年、球団顧問。07~11年、スペシャルアドバイザー。02年から関西国際大学教授を務め、現在は名誉教授。

210安打達成した94年 イチロー極秘契約更改交渉の中身

公開日: 更新日:

 1994年のシーズンオフのこと。わたしはイチローを自宅に呼んだ。秘密裏に契約更改の事前交渉をするためだ。

 イチローはその年、プロ野球記録(当時)となる210安打を放った。プロ3年目で、10月に21歳になったばかり。マスコミはこの年800万円だった年俸が、いったい、いくらまでハネ上がるのかと大騒ぎ。おそらくするであろう事前交渉の行方を探ろうと、報道陣は朝から晩までイチローにピッタリと張り付いた。

 わたしは交渉場所を自宅に決め、イチローにはこう告げた。

「とにかく夜、寮に普通に帰り、消灯時間になったら部屋の電気を消しなさい。そうすればマスコミはきょうは何もないと思って引き揚げる。その後、オレの自宅に来ればいい」

 わたしは当時、JR神戸駅近くのマンションに住んでいた。イチローにはだいたいの場所を告げ、さらにこう指示した。

「いいか、マスコミがいなくなったのを確認したら、自分の車でうちまで来なさい。近所まで来たら、駐車場を見つけて車を止め、電話をするように。駐車場まで迎えにいくから」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  2. 2

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  3. 3

    僕の理想の指導者は岡田彰布さん…「野村監督になんと言われようと絶対に一軍に上げたる!」

  4. 4

    阿部巨人が企む「トレードもう一丁!」…パ野手の候補は6人、多少問題児でも厭わず

  5. 5

    佐々木朗希が患う「インピンジメント症候群」とは? 専門家は手術の可能性にまで言及

  1. 6

    巨人「松井秀喜の後継者+左キラー」↔ソフトB「二軍の帝王」…電撃トレードで得したのはどっち?

  2. 7

    巨人のW懸案「ポスト岡本和真&坂本勇人」を一気に解決する2つの原石 ともにパワーは超メジャー級

  3. 8

    ドジャース大谷翔平 驚異の「死球ゼロ」に3つの理由…12本塁打以上でただひとり

  4. 9

    佐々木朗希「限界説」早くも浮上…案の定離脱、解説者まで《中5日では投げさせられない》と辛辣

  5. 10

    オリオールズ菅野智之 トレードでドジャースorカブス入りに現実味…日本人投手欠く両球団が争奪戦へ

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    僕の理想の指導者は岡田彰布さん…「野村監督になんと言われようと絶対に一軍に上げたる!」

  4. 4

    永野芽郁は大河とラジオは先手を打つように辞退したが…今のところ「謹慎」の発表がない理由

  5. 5

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  1. 6

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  2. 7

    威圧的指導に選手反発、脱走者まで…新体操強化本部長パワハラ指導の根源はロシア依存

  3. 8

    ガーシー氏“暴露”…元アイドルらが王族らに買われる闇オーディション「サウジ案件」を業界人語る

  4. 9

    綱とり大の里の変貌ぶりに周囲もビックリ!歴代最速、所要13場所での横綱昇進が見えてきた

  5. 10

    内野聖陽が見せる父親の背中…15年ぶり主演ドラマ「PJ」は《パワハラ》《愛情》《ホームドラマ》の「ちゃんぽん」だ