ボロボロ稀勢の里は眼中なし モンゴル勢が復権へ一気呵成
ある親方は「横綱の凄みというべきなのか……」と、こう話す。
「確かに成長株とはいえ、正代はまだまだ白鵬の敵ではないはず。今場所前は出稽古に訪れた白鵬にコテンパンにされ、『仮に僕が横綱になっても、可愛がられるんじゃないか』と弱音を吐いていたほどですから。そんな格下を奇襲ともいえる張り手で倒した。これで正代は、これまで以上に白鵬に恐怖心を抱くでしょうね。今後伸びてきそうな若手力士を、稽古場や本場所で叩きのめして恐怖心を植えつけるのは、白鵬に限らず、昔から横綱の常套手段です」
その直後、やはり新鋭で前頭2枚目の北勝富士(24)が、自身初の横綱戦で鶴竜を破る大金星。新入幕からまだ1年も経っていないのだから、モンゴル勢にとっては稀勢の里などより、よほど恐ろしい相手だ。
ボロボロの和製横綱は、もはや彼らの眼中にはない。