専門家解説 箱根で駒大選手を襲った「ぬけぬけ病」の恐怖
西山氏の元には4年ほど前からこの症状を抱えた長距離選手が来院するようになったという。
「メディカルトリート代々木治療室」院長の若月順氏は「酸欠状態」が原因ではないかとみる。
「極度の緊張状態で走ると息が『速く浅い』状態に陥って呼吸のリズムが乱れ、体内に余計な二酸化炭素が蓄積されることがあります。一種の酸欠状態で、アシドーシス状態といいます。筋肉が細かく痙攣することが多く、工藤選手が太ももを叩いたのはそのせいでしょう。酸欠だから頭がボーッとすることも。精神的プレッシャーと疲労、それに冬の寒さの3要素が重なって症状が起きたと考えられます」
つまり、暖かい時季に走れば、“ぬけぬけ病”の心配が軽減されるということだ。正月の恒例行事として定着している箱根駅伝だが、選手の健康のために開催時期を変更したほうがいいのではないか。