顔も相撲もそっくり 佐田の海は父の四股名を継いだ2世力士
境川部屋 前頭12枚目
オールドファンにしてみれば、懐かしい四股名だろう。佐田の海(31)といえば、千代の富士全盛期の80年代に活躍した力士。速攻を得意とし、玄人から好まれていた。
その長男が、この2代目佐田の海だ。
幼少期から力士になる夢を抱き、中学卒業と同時に境川部屋に入門。父は出羽海部屋だったが、なぜ境川部屋を選んだのか。
「境川親方(元小結両国)は父の弟弟子。息子は出羽海部屋に入門するものと思っていたが、父から『男を磨くなら境川部屋だ』とアドバイスされた。境川親方は一本気で男気がある。現役時代、兄弟子から『相撲取りがカネを貯め込むなんてみっともない真似をするなよ』と言われ、宵越しのカネは持たない、を地でいっていた。後輩の面倒見も良かった。日大出身だが、同校出身の力士を取らないことでも知られている。日大相撲部総監督である田中理事長と仲たがいし、『おまえのところにはウチの力士は入れない』と言われた時も、『はい、結構です』と毅然としていた」(タニマチ筋)
父の教えで、アマ相撲は未経験。中学までは野球に打ち込んでいた。これは下手な癖がつくのを恐れたと同時に、「アマで負けると自信を失い、相撲への情熱が薄れかねない。勝ったら勝ったで調子に乗りかねない、と父が危惧したのではないか」(相撲記者)といわれている。