7月場所も休場宣言 横綱稀勢の里を追い詰めた“先代の呪縛”
「まだ(自分の)相撲が戻っていない。来場所、すべてを懸けて頑張っていきたい」
5日、横綱稀勢の里(32)が7月場所(8日初日)の休場宣言をした。
これで8場所連続休場となり、年6場所制となった1958年以降では、貴乃花(現親方)の7場所を抜き、歴代最長の不名誉記録を更新した。
稀勢の里はかねて「次に出る場所で進退を懸ける」と話していた。それがとうとう、自らタイムリミットを口にしたのだから、もう後には引けない。
いわば背水の陣さながらだが、勝算がないわけでもなさそうだ。去る2日に白鵬と1年ぶりに三番稽古を行った際、「目が覚めたような感じ」と話していた。すると、2日連続で出稽古と、“出無精”の稀勢の里にしては珍しく精力的だった。
しかし、土壇場でようやく何かを掴んだとしてもあまりに遅すぎる。
ある親方は「先代師匠(元横綱隆の里)の存在が大きすぎた」と、ため息交じりにこう話す。