金足農・吉田をドラフト指名へ プロ球団の大攻勢が始まる

公開日: 更新日:

 試合終了のサイレンが鳴った瞬間、とめどなく涙がこぼれた。

「まったく歯が立たなかった。疲れがたまっていて、決して万全ではなかった」

 21日の大阪桐蔭(北大阪)との決勝戦。準決勝まで749球を投げていた金足農(秋田)の右腕・吉田輝星が、刀折れ矢尽きた。報道陣に囲まれると悔しそうな表情を浮かべながら、しかし、ハッキリとした口調で試合を振り返った。

 四回に大会6試合目にして初被弾で3失点。その時点で吉田は「足が動かなくなった」という。五回に大阪桐蔭の猛攻を受け、「もう投げられない」とマウンドを降りた。

 5回を投げて12安打12失点。「金足農旋風」を起こし、予選から1517球を投げ抜いた剛腕の夏は、大敗という形で幕を閉じた。

 そんな吉田は今後、どんな進路を歩むのか。本人は「まったく考えていない。野球はやりたいと思う」と明言を避けたが、周辺では大学進学説が有力視されていた。地元マスコミ関係者がこう言った。

「秋田県予選の前、金足農の中泉監督はプロ球団の東北地区担当スカウトに、卒業後は八戸学院大に進学すると説明していた。吉田は2年生のころから、同大の正村監督に教えてもらっていて、その結果、投手として成長した経緯がある。中泉監督にしてみれば世話になった義理もあるし、吉田をさらに優れた投手に育ててもらいたいという思いもあるのでしょう。裏である球団が『意中球団以外からドラフト指名されたら進学』という青写真を描いているとのウワサもありますが、それはともかく、本人も周囲も甲子園大会が始まる前の時点で、まさかここまで活躍するとは思ってもみなかったのでしょう。けれども、甲子園で大活躍した以上、仮に進学と言われたところで、これだけの逸材をプロが指をくわえて見ているはずがありません」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 野球のアクセスランキング

  1. 1

    カブス鈴木誠也が電撃移籍秒読みか…《条件付きで了承するのでは》と関係者

  2. 2

    中日井上監督を悩ます「25歳の代打屋」ブライト健太の起用法…「スタメンでは使いにくい」の指摘も

  3. 3

    カブス鈴木誠也「夏の強さ」を育んだ『巨人の星』さながら実父の仰天スパルタ野球教育

  4. 4

    PL学園から青学大へのスポ薦「まさかの不合格」の裏に井口資仁の存在…入学できると信じていたが

  5. 5

    阪神・佐藤輝明「打順降格・スタメン落ち」のXデー…藤川監督は「チャンスを与えても見切りが早い」

  1. 6

    ドジャース佐々木朗希の肩肘悪化いよいよ加速…2試合連続KOで米メディア一転酷評、球速6キロ減の裏側

  2. 7

    新庄監督のガマンが日本ハムの命運握る…昨季の快進撃呼んだ「コーチに采配丸投げ」継続中

  3. 8

    ソフトB「二軍の帝王」を悩ます“王の庇護” 自己評価の高さとパワー、潜在能力は一級品も...

  4. 9

    ソフトB近藤健介離脱で迫られる「取扱注意」ベテラン2人の起用法…小久保監督は若手育成「撤回宣言」

  5. 10

    「負けろ」と願った自分を恥じたほどチームは “打倒キューバ” で一丸、完全燃焼できた

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    広末涼子容疑者は看護師に暴行で逮捕…心理学者・富田隆氏が分析する「奇行」のウラ

  2. 2

    広末涼子容疑者「きもちくしてくれて」不倫騒動から2年弱の逮捕劇…前夫が懸念していた“心が壊れるとき”

  3. 3

    中居正広氏《ジャニーと似てる》白髪姿で再注目!50代が20代に性加害で結婚匂わせのおぞましさ

  4. 4

    広末涼子は免許証不所持で事故?→看護師暴行で芸能活動自粛…そのときW不倫騒動の鳥羽周作氏は

  5. 5

    佐藤健は9年越しの“不倫示談”バラされトバッチリ…広末涼子所属事務所の完全否定から一転

  1. 6

    【い】井上忠夫(いのうえ・ただお)

  2. 7

    広末涼子“密着番組”を放送したフジテレビの間の悪さ…《怖いものなし》の制作姿勢に厳しい声 

  3. 8

    中居正広氏は元フジテレビ女性アナへの“性暴力”で引退…元TOKIO山口達也氏「何もしないなら帰れ」との違い

  4. 9

    大阪万博は開幕直前でも課題山積なのに危機感ゼロ!「赤字は心配ない」豪語に漂う超楽観主義

  5. 10

    カブス鈴木誠也「夏の強さ」を育んだ『巨人の星』さながら実父の仰天スパルタ野球教育