U18の2敗にショック…また揺れる金足農・吉田輝星の進路

公開日: 更新日:

 その後、甲子園での大活躍によって、吉田を取り巻く環境は一変。プロ側からはスカウトだけでなく、元中日監督の落合博満氏ら大物OBからも「ドラフト1位の実力がある」と称賛の声が上がった。吉田は、心に秘めていたプロ志向に火がついたのか、「巨人が好き。行きたいです」と言って周囲を驚かせた。

■U18合宿では巨人のタオルを

 U18の合宿がスタートすると、自身の気持ちをアピールするかのように、練習で巨人のタオルを使用した。根尾昂藤原恭大(ともに大阪桐蔭)らドラフト1位候補と親交を深め、吉田の周辺では、「これでますますプロ志向に拍車がかかる」と心配する声も出た。

 が、大会では韓国、台湾相手に2敗を喫した。吉田は「全くいい投球ができず、次のステージで取り返したい」と唇を噛んだ。少なからずショックを受けたはずで、この結果が「プロに行く前にまだまだやるべきことがある」と、大学進学を後押しする可能性は高い。地元マスコミ関係者が言う。

「吉田の意中の球団である巨人の動向は気になるが、やはり3人の恩師を前に『八戸学院大にお世話になります』と話した事実は重い。秋田では八戸学院大の正村監督も、吉田と会う予定。正村監督は青山や塩見(ともに楽天)をプロに輩出。投手育成には定評がある。監督自身、『これだけ大活躍したとはいえ、一時的に周囲が過熱しているだけ』と至って冷静に見ているし、吉田の周辺では『吉田は精神的にもまだまだ子供。プロに出せる状況ではない』と話す関係者や、素行不良を吹聴する者までいる。東北の保守的な気質もあり、既定路線の大学進学に収まる可能性はあります」

 吉田は9日に報道陣から進路に関して聞かれた際、「大学とか次の世界に進んだときは」と、「大学」という言葉を口にした。あくまで例え話としても、とっさに出た言葉だけに気になるところではある。プロも攻勢をかけ始めるだろうし、どんな決断を下すのか注目だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大逆風の田中将大まさかの〝浪人〟危機…ヤクルト興味も素行に関する風評が足かせに

  2. 2

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  3. 3

    楽天・田中将大の二軍テスト続行を明言…“外様”今江監督ならではの「常識的判断」

  4. 4

    「(菊池雄星を)高1で超えてやる」 天性の負けず嫌いが花巻東に進学した“本当の理由”

  5. 5

    斎藤元彦知事&代理人弁護士「時間差会見」のあざとさ…二人揃ってPR会社美人社長をバッサリ切り捨て

  1. 6

    八村塁が突然の監督&バスケ協会批判「爆弾発言」の真意…ホーバスHCとは以前から不仲説も

  2. 7

    斎藤元彦知事が百条委トンズラで大誤算!公選法違反疑惑に“逃げの答弁”連発も「事前収賄罪」の可能性

  3. 8

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 9

    「終わらない兵庫県知事選」の行方…新たな公選法違反疑惑浮上で捜査機関が動く“Xデー”は

  5. 10

    斎藤元彦知事代理人の異様な会見…公選法違反疑惑は「桜を見る会前夜祭」と酷似、期待されるPR会社社長の“逆襲”