まさかの5連勝 稀勢の里“ケガの功名”で身につけた慎重相撲
前出の親方が言う。
「もし、稀勢の里が引退危機を乗り切ることができれば、一回り成長するでしょうね。今場所の慎重さ、冷静さは過去の稀勢の里に欠けていたもの。相手次第で慎重に取ることはあっても、何日も続くことはなかった。確かに肉体も相撲勘もまだまだ万全とは言い難いが、相撲の圧力自体は落ちていない。序盤は相手が格下ということもあって、今のところは積極的に攻めている。それでいて、土俵際では細心の注意を払っている。これで力強さが戻ってくれば鬼に金棒。8場所連続休場は長かったが、むしろケガの功名となればお釣りがくるかもしれない」
今場所の前売り券は、発売開始わずか1時間で売り切れ。それもこれも、和製横綱の復活劇に期待するファンが多いことの証明でもある。ピンチをチャンスに変えられるか。