勝ち越し引退回避も…稀勢の里に「横綱らしくない」と苦言

公開日: 更新日:

 崖っぷち横綱が、何とか勝ち越した。

 稀勢の里(32)は10日目に遠藤を下し、8勝2敗。8場所連続休場明けで進退がかかっていただけに、今場所中の引退は回避できたと言っていい。

 だが、完全復活とは言い難いのもまた事実。今場所の内容は、決して褒められたものではないからだ。

 評論家の中澤潔氏は「横綱らしい相撲ではない」と、こう続ける。

「8勝のうち、良かったと言えるのはせいぜい2、3番。初日の勢戦は左差しという自分の型に持ち込んで勝ち、遠藤戦も良かったが、ほとんどは九死に一生の逆転技ばかりでしょう。『相撲で負けて勝負に勝った』では、横綱としては寂しい。まして、負けた2番はいずれも一方的にやられている。確かに8場所連続休場明けだから、内容が伴わないのも仕方ない、という意見も理解できる。でも、そこは横綱ですからね。本場所に出場する以上は横綱らしい相撲を見せてほしいものです」

 かつて双葉山の連勝を「69」で止めた安芸ノ海は、師匠に「勝って騒がれる力士より、負けて騒がれる力士になれ」と、諭されたという。ファンに同情される今の稀勢の里は、その対極にいる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    僕の理想の指導者は岡田彰布さん…「野村監督になんと言われようと絶対に一軍に上げたる!」

  4. 4

    永野芽郁は大河とラジオは先手を打つように辞退したが…今のところ「謹慎」の発表がない理由

  5. 5

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  1. 6

    大阪万博「午後11時閉場」検討のトンデモ策に現場職員から悲鳴…終電なくなり長時間労働の恐れも

  2. 7

    威圧的指導に選手反発、脱走者まで…新体操強化本部長パワハラ指導の根源はロシア依存

  3. 8

    ガーシー氏“暴露”…元アイドルらが王族らに買われる闇オーディション「サウジ案件」を業界人語る

  4. 9

    綱とり大の里の変貌ぶりに周囲もビックリ!歴代最速、所要13場所での横綱昇進が見えてきた

  5. 10

    内野聖陽が見せる父親の背中…15年ぶり主演ドラマ「PJ」は《パワハラ》《愛情》《ホームドラマ》の「ちゃんぽん」だ