身体検査が不安…菊池雄星はマエケンの二の舞にならないか
「ボラス氏は、タフネゴシエーター(手ごわい交渉相手)の異名を持ち、各球団のGMから恐れられている。昨オフはFAの目玉だったJ・D・マルティネス外野手(前ダイヤモンドバックス)の条件つり上げを狙って、レッドソックスと粘り強く交渉を重ね、キャンプイン初日の2月20日に5年117億円超の大型契約をまとめた。菊池は日本のナンバーワン左腕の位置付けで、年齢も27歳と若い。ボラス氏が強気の姿勢で交渉に臨むのは明らかで、巨額契約を勝ち取るために、30日間の交渉期限ギリギリまで粘るはずです」(スポーツライターの友成那智氏)
■左肩の故障リスクと日本人投手の前例
一方で、今季の菊池が悩まされた左肩の不調を問題視するスカウトがいるのも事実だ。今年8月にはハーバード大卒のインテリ右腕、楽天のハーマンがMLB公式サイトの取材に「一流の左腕」としながらも「左肩の不安からか、今季はスライダーのスピード、切れとも、昨季と比べて見劣りする」と証言した。
ここ数年、入団前のメディカルチェックで肩や肘に異常が見つかった日本人投手は買い叩かれたり、契約自体を白紙に戻されるケースが相次いでいる。16年1月には前田健太が、ドジャースと8年契約で出来高を含めた総額1億620万ドル(約120億円)で合意したが、「肩、肘の故障リスクがある」と、基本年俸は300万ドル(約3億4000万円)に抑えられた。15年12月には岩隈久志(前マリナーズ)がドジャースと3年54億円で交渉がまとまりながら、身体検査で引っ掛かり、破談に追い込まれた。