鳥谷は4億で大山は微増の3000万 若虎たちの嘆きを聞け
球団の人件費枠はある程度決まっている。
昨年の阪神の年俸総額は12球団3位の約32億2600万円(推定=外国人選手含む)。
昨オフ、韓国で2年連続3割、30本、100打点のロサリオ(29)を3億4000万円プラス出来高で獲得。その影響もあって今年の総額は約36億円(同)まで増えた。
矢野新監督は金本前監督の「生え抜きの若手育成」方針を継承する。そのためこのオフは、浅村(西武―楽天)や丸(広島―巨人)の獲得を見送った。しかし、3億4000万円をドブに捨てたロサリオに代わる助っ人の獲得にも、億単位のカネが必要になる。10年目を迎えるメッセンジャーは単年4億円以上で再契約を結んだ。オリックスでFA権を行使した西勇輝投手(28)の獲得は濃厚といわれ、条件は4年総額18億円とも20億円ともいわれている。最下位から優勝を狙うには、若手の奮起が不可欠でも、彼らの尻を叩くだけのカネは残っていないようだ。
評論家の高橋善正氏がこう言う。
「阪神は鳥谷と5年もの長期契約を結んだのが大きな間違い。若手は複数年契約とはわかっていても、働きに見合わないベテランの高年俸は納得できないはずです。阪神には福留(41=今季2億2000万円)や4年契約の3年目を迎える糸井(37=同4億円)もいる。この2人はまだ中心選手です。生え抜きの若手を育てるといいながら、現場はそのような状況ではない」