貴景勝と御嶽海を一蹴…横綱白鵬は「世代交代」阻止に血眼

公開日: 更新日:

 細工は流々、あとは仕上げをご覧じろ――。

 横綱稀勢の里が13日初日の1月場所出場を明言する一方、こちらも調整に余念がないのが白鵬(33)だ。7日の横綱審議委員会による稽古総見では貴景勝(22)と御嶽海(26)を指名し、いずれも一蹴。8日は伊勢ケ浜一門の連合稽古、9日と10日も出稽古に赴いた。

 白鵬にとって、昨年は“最悪”の年だった。4場所休場で皆勤はたったの2場所。優勝1回というのも横綱昇進後はワーストの成績だった。1月場所で賜杯を抱いたのも2015年が最後とあれば、気合が入るのもうなずける。

 だが、それは成績不振だけが理由ではあるまい。昨年は新鋭の貴景勝と御嶽海がいずれも初優勝。自身が休んでいる間に、若い芽が着々と育ってきた。「鬼のいぬ間に世代交代」なんてされたら、それこそメシの食い上げだ。両者を稽古総見でコテンパンにしたのは、恐怖心を植え付けるためだ。

 本場所で当たる相手を事前に叩きのめし、本番で萎縮させるのは横綱の常套手段。かつては朝青龍のようにプロレス技まがいの相撲で物理的に「壊す」横綱もいたが、そんなことをせずとも実力差さえ感じさせれば、相手が勝手にビビる。

 白鵬は20年東京五輪の開会式で横綱土俵入りをするのが夢だという。もし、それまでに和製横綱が誕生となれば、出番を奪われかねない。

 今年3月で34歳になる白鵬。まだまだ後進に道を譲る気はなさそうだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド