全仏QFナダルに完敗…錦織圭を海外メディア総スカンの深層
■あえて話さない
現在、世界のトップ10の選手のうち、4大大会やマスターズ1000を勝っていない選手は錦織とチチパス(20・ギリシャ=同6位)とアンダーソン(33・南アフリカ=同8位)の3人。そもそも外国人記者がわざわざ会見を取材する対象ではないといえばそれまでだが、チチパスは若手の旗頭的な存在で会見には外国人記者もそこそこ顔を出す。アンダーソンにはさほど来ないが、2人とも聞かれればさまざまな話題に対応する。そこへいくと錦織はまず、テニス以外の話はほとんどしないし、会見で多数を占める日本人メディアも当たり障りのないことしか聞かないのが現状だ。
「いや、ケイも話はできるはずだ。日本の特異な環境が、彼を無口にしているだけだと思う」と、日本で暮らした経験を持つフランス人記者がこう続ける。
「結果としてケイは日本メディアのワンパターンの質問や、協会のアマチュアリズムにスポイルされているのですよ。特にスポーツ紙の記者は決まりきった質問しかしないし、仮にケイが一般論や常識から外れた発言をしようものなら叩かれる風潮が日本にはある。アマチュアリズムの権化みたいな協会も、過激で刺激的な発言をよしとしませんからね。ついているスポンサーとの関係もあるし、ケイも煩わしいことは面倒なのですよ。例えば海外のテニス界に関しても思うところはあるようだし、話ができないのではなく、あえて話さないだけですよ」
錦織が外国メディアに敬遠されるのは、取り巻く周囲に原因があるというのだ。