今季の巨人は怖くない!エース消え、絶対的守護神は宝の持ち腐れ、新助っ人も故障で5位転落
敵地マツダスタジアムで広島に敗れ、2カードぶり今季2度目の同一カード3連敗となった巨人。開幕から対戦を一回り終え、今季初の借金生活に突入した。
2連敗で迎えた昨13日の試合は、1-1の五回2死二塁から、先発左腕・石川が小園に中前打を打たれると、これを中堅のヘルナンデスが後逸。ボールが外野を転々とする間に打者走者の小園も本塁へ生還し、1-3となった(安打と失策)。
打線は七回に吉川尚の2点二塁打で1点差に迫ったものの、その裏に追加点を奪われ逃げ切られた。阿部慎之助監督(46)は試合後、「悔しいけど、全く流れがこなかった。まだやり返せるチャンスは十分にある」と前を向くしかなかった。
11日の広島との初戦でエース戸郷が4回途中10安打10失点と大炎上。3戦連続KOで二軍落ちとなったが、エースの乱調とリンクして、チーム防御率もリーグ4位の3.00と悪化傾向だ。
メジャーに流出した昨季15勝3敗の菅野(現オリオールズ)の穴埋めが喫緊の課題だったが、FA宣言したソフトバンクの石川柊(現ロッテ)の補強に失敗すると、先発投手の主な補強をベテラン田中将のみにとどめた。
さる巨人OBがこう明かす。
「その前のドラフト会議でも、1位で競合した金丸(現中日)の抽選を外すと、外れ1位は高校生野手の石塚(花咲徳栄)に切り替えた。これは中日の絶対的守護神マルティネスの補強に手応えがあったからで、阿部監督ら首脳陣には『抑えのマルティネスが加入すれば、八回の大勢と九回は盤石になる。もちろん菅野の代わりになるような先発投手は欲しいが、先発は5、6回を投げればいいんだから気が楽でしょう。台頭しそうな若い投手も何人かいるし』との見通しがあったそうです」
それが、フタを開けてみればどうだ。広島とのこの3連戦は、3-12、0-1、3-5。マルティネスの出番は一度もなかった。
「他球団は開幕前、マルティネスを警戒していたが、たとえ接戦でも、負けている場面では使えないし、せめて同点じゃないと抑え投手は突っ込めない。分かり切ったことですが、展開によっては宝の持ち腐れになってしまうことが、改めてこの3連戦でハッキリした。昨年まで在籍していた中日も、マルティネスがいながら、毎年最下位争いをしていましたからね」(前出のOB)