体調万全でも厚い4強の壁 錦織4大大会制覇に足りないもの

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 錦織圭(29=世界7位)が準々決勝までに費やした試合時間は、前回の全仏より292分も少ない511分。3回戦まですべてストレート勝ち。4回戦で1セットを落としただけと、今回はガソリンも満タン。ウィンブルドンを8回制したロジャー・フェデラー(37=同3位)に「勝てると思う」と話すなど、心身ともベストに近い状態だった。

 しかも、相手のミスにも乗じて第1セットを先取するなど最高の立ち上がり。「芝の王者」を下す条件はそろっていたにもかかわらず、終わってみれば完敗だった。

 この日のウィンブルドン男子シングルス準々決勝。錦織は第1セットこそ6―4で取ったが、その後、1―6、4―6、4―6と立て続けに3セットを奪われ、日本勢では1933年の佐藤次郎以来、86年ぶりの4強入りはならなかった。

 現地で取材するスポーツライターの武田薫氏はこう言う。

「錦織は立ち上がりに持ち味を発揮して期待を抱かせましたが、フェデラーはまるで探りを入れていたかのようでした。第2セットに入ると、第1セットとはまるで別人のように襲い掛かってきましたからね。錦織のサーブが良くないと判断すると、サービスゲームではエース狙いに徹し、リターンゲームでの攻撃に切り替えてきました」

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