ヤクルト村上宗隆の素顔とは 本人と関係者の証言から探る
■寮生活
埼玉・戸田で寮生活を送る。梶間健一寮長の話。
「一軍でやるようになり、朝はあまり食べないので、『いつもどうしているんだ?』と尋ねたら、『コンビニのおにぎりを食べたりしています』と。『少し早く食堂に顔を出して、何かつまみなさい』と言うのですが、朝はギリギリまで寝て、先輩の車に同乗して神宮に向かう。時間がないのはわかるんですけどね」
ナイターの翌日がデーゲームのときは、球団の許可を得て、都内のホテルに泊まることもあるという。睡眠時間を確保するためで、それだけタフな日々を送っているのだ。
■ディープインパクト
チーム関係者を驚かせた一発がある。プロ1年目の昨年5月25日、西武との二軍戦(戸田)で左腕・菊池雄星(現マリナーズ)と対決。152キロの外角直球をコースに逆らわずにスイング。左翼へ本塁打を放った。松元ユウイチ二軍打撃コーチが言う。
「菊池投手がリハビリ過程だったとはいえ、最初から直球を狙ったようなスイングでした。左打者が左投手を攻略することは簡単ではない。普通の高卒新人なら、プロの投手についていくだけでも精いっぱいのはず。村上は個々の投手に合わせて速球か変化球かに狙いを絞る。引き出しの多さは新人離れしていた。巨人の内海(当時)との対戦で、難しいコースの初球シュートを右中間に本塁打した時にも、技術とセンスを感じました」