カズ&俊輔“93歳コンビ”を脇役に追いやった若手世代の躍動
62分、そのカズが退く際、濃赤色のキャプテンマークを引き継いだ俊輔も、場を落ち着かせる役割は十分に担ってみせたが、試合を決定付ける程の存在感は示せずだった。
■一番の“主演男優”はMF三好康児
試合が進むにつれ、主役の座を奪ってみせたのはヤング世代の面々だ。
カズに代わって入ったFW斉藤光毅(17)は、停滞していた横浜FCの攻撃を勢い付かせ、横浜MデビューとなったMF渡辺皓太(20)は序盤、慣れない連携に困惑する場面も見られたが、時間が経つにつれてMF扇原貴宏(27)とのボランチコンビで試合をコントロールして見せた。
しかし、この日一番の“主演男優”は、MF三好康児(22)で間違いない。彼は、ターンオーバーを敷いたラインナップの中で一人だけ<違い>を見せた。オフ・ザ・ボールでは素早いプレスを仕掛け、自らボールを得ると小さな身体全身を使って局面を打開した。
出場時間が限られたリーグ戦でのうっ憤を晴らすかのように、さらに言うならばーー。どこか意を決した態度をも感じ取った。それはまた、身近で彼の雄姿を観られるのも長くないかも知れないと思わせるほどに、だ。