セ覇者巨人が先勝で2勝0敗 勝率5割でも“カモ虎”CS権利の愚
メジャーは30分の10チーム
プロ野球のCSはそもそも、メジャーのプレーオフの猿真似だ。
メジャーはシーズン終盤の消化試合を減らし、観客動員数やテレビ放映権料を増やす目的で1994年から地区シリーズ、リーグ優勝決定戦、ワールドシリーズの3ラウンド制を採用。ア、ナ両リーグの地区優勝に加え、ワイルドカード(2位の最高勝率チーム)も地区シリーズに進めるシステムを採用した。つまり30球団中、上位8チームにプレーオフ進出の権利を与えたのだ。
2012年から現在のワイルドカードゲームを導入。地区優勝に加えて、2位以下の勝率上位2チームがプレーオフに出られる4ラウンド制にしたが、それにしてもプレーオフに進めるのは30球団中10球団。間違っても勝率5割を切るチームがプレーオフに駒を進めるようなことはない。ちなみに今季、両リーグを通じて最も低い勝率でワイルドカードゲームに進出したのはブルワーズの・549(89勝73敗)だった。
そこへいくとプロ野球は12球団中、半分の6球団がCSに進める。6球団中、半分の3チームが出られるわけだから、おのずと勝率5割前後でも日本シリーズに進む権利が生じることになる。セ3位の阪神は勝率・504(69勝68敗6分け)。パ3位の楽天は勝率・511(71勝68敗4分け)。実際、13年の広島は勝率・489(69勝72敗3分け)でCSに進出している。
前出の高橋氏がこう言った。
「プロ野球は興行。消化試合を減らし、なおかつCSを貴重な収入源にしたい球団の事情は理解できる。本来ならCSそのものをなくすべきだが、興行面を考慮しても救済するならせめて上位3分の1、セ、パとも2位までですよ。現行のシステムでは2位チームも3位と戦うことで疲弊してしまうし、優勝チームのアドバンテージというならいまの1勝で十分。少なくともCSのファーストステージは必要ないでしょう」
まったくだ。そうでなければファンは、日本シリーズ進出をかけたCSで9日の阪神のようなぶざまな試合を見せられることになる。