セ覇者巨人が先勝で2勝0敗 勝率5割でも“カモ虎”CS権利の愚
8日、セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ開幕戦で、巨人が阪神に快勝。アドバンテージの1勝を含めて2勝0敗とした。
巨人は初回2死から3番丸、4番岡本が連続ソロで2点を先制。原監督が「2本(本塁打)は見事ですね。大きかった。久々のゲームだったが、いい調整ができたということでしょう」と称賛する2連発で勢いに乗ると、二回には亀井の適時二塁打などで3点を追加。先発山口は八回途中まで1失点と危なげなかった。
阪神先発・高卒4年目の望月は2回5失点で試合をブチ壊した。得点は暴投と押し出し四球でもらった2点のみに終わった。今季の巨人戦は10勝15敗の阪神。東京ドームでも5勝8敗の力関係は、CSになっても変わるどころか、ますます顕著になった。
■5割程度で勝ち上がると…
巨人OBで元投手コーチの高橋善正氏(評論家)がこう言う。
「勝率5割そこそこ(貯金1)の阪神がここまで残ってはダメなんです。大事な初戦の先発が通算1勝の望月。案の定、立ち上がりからストライクが入らずに制球に苦しんだ。(CS)ファーストステージで3試合を戦っているとはいえ、5割くらいのチームの選手層だとこうなる。シーズン終盤に6連勝して3位に滑り込んだが、実際は消化試合になったチームから拾った勝利が多かった。最終戦の中日戦は打者10人を打ち取った時点で防御率がリーグトップ(2・58)に立った大野が、さっさと降板したでしょう。阪神ベンチにしてみれば、『中日ありがとう』ですよ。あのまま大野に投げられていたらどうなっていたか。実際、その前の対戦ではノーヒットノーランを食らっていた。3位まで門戸を開放するから、この日のような試合展開になる。勢いがあるように見えた阪神は底が割れたという気がしますね」
巨人にとっても、今季負け越した広島やソトのような天敵がいるDeNAではなく、“カモ”である阪神が相手に決まり、おおむね歓迎ムードだった。原監督は前日、阪神の感想を求められ、「タイガースかって感じ」と笑みを浮かべていた。