さいたま国際女子マラソンを消滅させた実業団の“駅伝重視”
前出の帖佐氏が言う。
「16年にマラソンの有識者を集めて話をしたことがある。陸連のマラソン強化担当の瀬古利彦(強化戦略プロジェクトリーダー)や山下佐知子(女子マラソン五輪強化コーチ)、宗茂(3度の五輪代表)もいた。そこで『実業団はマラソンに対してどういう考えを持っているのか。やっぱり駅伝が第一なのか?』と聞いたら、みんな『駅伝第一です』と口を揃えて言った。
日本実業団陸上競技連合の幹部も来ていて、『なぜ今年(16年)から全日本実業団対抗女子駅伝の日程を12月から11月に繰り上げたのか』と聞いた。直前には、陸連主催のさいたま国際がある(18年から12月第2日曜日実施)。実業団駅伝に出る者が、2週間前のさいたま国際を走るか? と聞いた。彼は答えられなかった。実業団はマラソンより駅伝重視ということが、この時はっきりわかった」
さいたま国際は消えゆく運命だったということか。
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