瓦解するMGC メンツと忖度でねじれた東京マラソンの行く末
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い26日、安倍総理は大規模なスポーツ、文化イベントの開催中止または延期を要請した。
多くのコンサートが即日中止、プロ野球はオープン戦72試合の無観客試合、Jリーグは公式戦94試合の延期を決めている。その最中の3月1日、東京マラソンは行われるのだろうか。マラソンに無観客試合などはない……。
主催の東京マラソン財団は17日、一般参加の出場中止を決め、同時にエリートによるレースのみ実施すると発表した。
東京の1週間後の名古屋ウィメンズマラソンもそうだが、エリートレースだけ残した理由は陸連のメンツだ。昨年9月、オリンピックの代表選考会のMGCで男女2人ずつを決め、残る1人の選考が2大会にかかっている。中止すれば、陸連が自画自賛する選考方式MGCは瓦解する……苦渋の決断にしても、この中途半端の代償は大きい。
東京マラソンが掲げた「東京が一つになる日」という崇高な看板が反故になったのが残念だ。また、一般参加者に参加費(約1万6000円)が返金されないことが問題になった。コンサートの入場料と違い、参加費は舞台設定の委託費。突発事故で返金しないのは仕方がないが、レースは中止ではなく、「走らせない」ということ。