人種差別問題を見て見ぬ振り 白人優位体質が染み込んだMLB
しかしブレーブス、インディアンスとも、その気はまったくないようだ。なぜなら、MLBは30年前に20%以上いた黒人選手が6%に減少、NFLやNBAに比べて、かなり白人優位の体質になっているからだ。
3年前にNFLとNBAでは、トランプ大統領の人種差別的な発言に抗議して多くの選手が、試合前の国歌演奏時に片膝をついて国旗を無視する「ニーダウン」を行った。しかし、MLBでは同調者が出なかった。大物選手ではアダム・ジョーンズ(現オリックス)だけが人種差別に背を向ける選手たちを批判し「MLBは白人の居場所になっている」と嘆いて注目された。そのジョーンズもこの発言がもとで保守的な白人の観客の反発を買い、遠征先のボストンでは差別的なヤジの集中砲火を浴び、ピーナツの袋まで投げつけられた。
ジョーンズの言う「MLBは白人の居場所」という体質は現在も変わっていない。ブレーブスもインディアンスも、そうした体質が染み込んだ球団である。黒人暴動の余波で先住民の人権活動家や差別撤廃論者が球場にプラカードを持って押しかけてきても、のらりくらりとかわし、トマホークの斧やワフー酋長を上手に保持し続けるだろう。