コミッショナーが人種差別反対運動を静観する米球界の危機
5月末の「ジョージ・フロイド事件」に始まった米国内での人種差別に対する抗議活動は、世界各地に波及しつつ、今もなお続いている。
大統領として「人種差別の一掃」や「人々の融和」を強調して事態を収束させることが期待されるドナルド・トランプは、抗議運動に反発する白人たちの行動を称賛したり、人々の分断を深めるような行動をとっている。あるいは「極左で何もしない民主党は秋に負ける」と、抗議運動と今年11月の大統領選挙に絡めるかのようなツイートも行っている。
これに対し、スポーツ界の反応はまちまちだ。
■積極的に関与のNBA
コミッショナーのアダム・シルバーが「人種差別問題を無視することは出来ない」と明言し、レブロン・ジェームズら著名な選手がアフリカ系アメリカ人に大統領選挙での投票を呼びかける非営利団体の設立を計画するなど、NBAでは一連の動きに積極的に関与する姿勢が認められる。
また、かねて「トランプ寄り」とされてきた全米自動車レース協会も人種差別に反対する方針を示した。